どんなタイプのリーダーを目指すのかを決める重要性
「理想的なリーダー」と聞いて、どんな人物像を思い浮かべるでしょうか?
歴史に少し詳しい人なら、日本史や世界史に残る有名なリーダーの名前をいくつか挙げることができるのではないかと思います。
日本人にとって馴染みの深いリーダー像のお手本としては「三国志」の登場人物が挙げられます。
「三国志」は多くの作家や漫画家が題材にしている有名な中国の歴史物語ですが、そこに登場する武将たちは非常に個性豊かなリーダー像をしています。
特に軍師であった諸葛孔明の言葉には現代に通じるリーダー論が含まれているので、現在活躍している経営者の中にも座右の銘にしている人が多く見られるほどです。
最も有名なのが曹操、黄蓋、孫権の3人で、それぞれタイプの異なるリーダー像が今も多くのファンを獲得しています。
まず最も人気が高い曹操ですが、特徴として人材登用が上手かったということが挙げられるでしょう。
曹操は身分に関わらず優秀な人材と登用したこととしてよく知られており、結果を出したものに対しては多くの論功行賞を与えたとされます。
黄蓋は赤壁の戦いで活躍をしたことで有名ですが、中でも人心掌握術に長けており、地域の盗賊までもが黄蓋を慕っていたという逸話が残されています。
孫権は19歳の若さで君主となった人物ですが、先代から使えてきた家臣たちの意見をよく聞き、ワンマンではなく周囲との関係をしっかりと築いた賢い人物であったことで有名です。
この3人は特にタイプの異なるリーダーとしてよく知られているところであり、これからリーダーを目指す人にとって多いに参考になるところが多いと言えます。
タイプ別のリーダー
現代のビジネス書などでもリーダーのタイプについては詳しく説明がされており、特に「カリスマ型リーダー」と「サーヴァント型リーダー」という二種類は、全く異なるアプローチとして紹介されています。
「カリスマ型リーダー」というのは三国志で言うところの劉備玄徳のよなタイプで、本人の能力はそれほど高くないにも関わらず、周りが自然とついてきてくれるという人間的な魅力のある人物です。
「サーヴァント型リーダー」というのは前述した孫権のようなタイプで、自分自身が表立って引っ張るのではなく、周囲との関係を円滑にすることを徹底することで、結果的に組織を強くするということに成功しています。
どのようなリーダーのタイプであっても共通しているのは、部下に対して適切な評価を、誰の目にも分かる形で提示しているということです。
曹操や黄蓋が優れていたのもそうしたところだったと言えるでしょう。
部下が実際に何をしているかを自分の目の前の態度だけでない部分で判断し、それに対して賞罰を与えたという人を見る目が、リーダーとしての素質になっていたのです。